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第 7 章 ノイズ設定(Noise タブ)

Noise タブでは、観測スペクトルに含まれるノイズのモデルを指定します。

Noise タブ。Noise model、Noise parameter、Noise Estimation Priors が表示される。

7.1 Noise model

Noise model セクションでは、GaussianModified GaussianPoisson を選択できます。

モデル 内容
Gaussian 単一の \(\sigma\) でノイズ幅を扱います
Modified Gaussian \(\sigma_0\) / \(\sigma_1\) / \(\sigma_2\) の 3 パラメータで、信号強度に依存するノイズを扱います
Poisson Poisson 尤度でカウントデータの揺らぎを扱います。Noise タブでは固定の \(\lambda\) を指定します

Modified Gaussian の Noise タブ。σ0、σ1、σ2 の prior 範囲が表示される。

Gaussian の数式

各観測値 \(y_i\) がモデル予測値 \(f(x_i)\) を平均、共通の分散 \(\sigma^2\) を持つ正規分布に従うと仮定します:

\[ y_i \mid f(x_i), \sigma \sim \mathcal{N}(f(x_i), \sigma^2) \]

ここでの Gaussian は観測ノイズの尤度モデルであり、第 5 章の Gaussian peak shape とは別の意味です。

Poisson の数式

\[ \mathrm{Error} = \frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}\left\{ f(x_i) - y_i\log(f(x_i)) \right\} \]
  • \(f(x_i)\) はモデル予測値(フィッティング曲線)、\(y_i\) は観測値
  • Poisson では Noise parameter σ の推定 / 固定切替は無効化され、固定の Noise Parameter (λ) を入力します
  • \(\lambda\) の初期値は 1 です

Modified Gaussian の数式

Modified Gaussianは、信号強度に依存するノイズと一定成分のノイズを \(\sigma_0\) / \(\sigma_1\) / \(\sigma_2\) で扱います。

  • \(\sigma_0\): 信号強度 \(f(x)\) に比例して増えるノイズ
  • \(\sigma_1\): \(\{f(x)\}^2\) に比例して増えるノイズ
  • \(\sigma_2\): 信号強度に依存しない定数ノイズ
  • \(\sigma(x_i)\) は各データ点におけるノイズパラメータ
  • \(f(x_i)\) はモデル予測値(フィッティング曲線)、\(y_i\) は観測値

7.2 Noise parameter \(\sigma\)(推定モード)

Noise parameter σ セグメントコントロールで、ノイズパラメータ \(\sigma\) の扱いを選択します。

Poisson を選択している場合、このセグメントコントロールは無効化され、固定の \(\lambda\) を入力します。

モード 動作
Estimate ノイズパラメータをベイズ推定の対象とする
Fixed ノイズパラメータを固定値として与え、推定しない

7.3 Prior 設定

Noise Estimation Priors セクションで、各 \(\sigma\) パラメータの 下限〜上限の範囲 を設定します。

Gaussian

Gaussian では単一の \(\sigma\) を設定します。

  • スライダーまたは数値入力で範囲を指定
  • 初期値は現在のデータに基づいて自動設定されます。
  • Fixed モードでは固定値として扱います

Modified Gaussian

Modified Gaussian では次の 3 パラメータを設定します。

パラメータ 役割
\(\sigma_0\) 信号強度 \(f(x)\) に比例して増えるノイズ
\(\sigma_1\) \(\{f(x)\}^2\) に比例して増えるノイズ
\(\sigma_2\) 信号強度に依存しない定数ノイズ
  • スライダーまたは数値入力で範囲を指定
  • スライダーの範囲は、読み込んだデータの Y 値スケールから自動算出されます
  • データを読み込み直すと、スライダー範囲も再計算されます

Poisson

Poisson では単一の \(\lambda\) を設定します。

  • \(\lambda\) は固定値として扱われ、Noise タブ上では推定対象に切り替えられません
  • 初期値は 1 で、リセットアイコンをクリックすると 1 に戻ります

Fixed \(\sigma\) モードを使うとき

  • ノイズ標準偏差が既知の場合
  • 解析の収束速度を上げたい場合(パラメータ数を減らせる)

7.4 Reset アイコン

スライダー右上の リセットアイコン をクリックすると、各 \(\sigma\) の prior 範囲が現在のデータから再計算された初期値に戻ります。